昨日届いたばかりの日本酒。
宮城県石巻市の平孝酒造、
「日高見 希望の光」です。
あの大震災で酒造タンクそのものが
被害を受けたにもかかわらず
タンク内にわずかに残った酒が発酵し、
絶望のなかで生まれた奇跡の酒です。
ミヤネ屋で放映された直後、
酒屋さんには予想を遥かに超えた
1000本以上の注文が舞い込み、
配送が追いつかなくなったという
経緯があります。
この酒について、裏ラベルに
店主による説明が書いてあったので、
そちらを引用したいと思います。
「(前略) 震災直後、仕込み蔵は
地震の揺れの激しさから、
発酵中の醪(お酒)がタンクから溢れ、
床一面、白い絨毯を敷き詰めたのかと、
錯覚するような情景でした。
溢れ出た醪は霧状になり辺り一面に立ち込め、
蔵の奥が良く見通せない状況で、
目の前の光景を疑いました。
そして、溢れ出た醪が発生している音なのか、
今までに聞いた事の無いような音が蔵内にこだまし、
まるで醪の悲鳴のようにも聞こえ、
何とも言えない恐怖感を覚えました。
(中略)
一週間が過ぎても復旧の目処が立たず、
発酵中の醪の全廃を覚悟しました。
しかし、震災から二週間目、
電気など一部ライフラインの復旧などが重なり、
諦め掛けていた醪を、遂にお酒として
甦えさせる日がやって参りました。
ただ、放置している時間が余りにも長く、
垂れ口から搾り出されるお酒の品質がとても心配でした。
しかし、我々の心配をよそに、
そのお酒はとても力強く生命力に溢れ、
我々に勇気と希望を与えてくれました。(後略)」
日高見は好きな酒のひとつで、
口に含んだときにしっかりとした旨さが感じられ
すーっと消えていく後味のよさがあります。
楽しみにしていたこの「希望の光」は
やはり、いい出来でした。
口に含むとフルーティな香りが立ち上ります。
しっかりとした甘みと旨みがあり、
わずかな発泡からくる炭酸の酸味が感じられます。
なんて力強く、しっかりとした酒なんだろう。
それでいて後味はすっきり。
口の中に雑味が残ることがありません。
真面目に酒造りに取り組んできたからこそ出会えた、
ご褒美のような酒。
何度も何度も、その味を深く堪能しました。
売り上げの一部は石巻への義捐金として献金されるとのこと。
これからも応援しています。
日高見が復活することを
楽しみにしています。
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